一途な御曹司に愛されすぎてます
 反射的に振り向くと、なんと専務さんが急ぎ足でこっちに向かって歩いてくる。

 彼のはっきりとした二重の両目が間違いなく私を見ていることに気づいて、胸がパッと明るくなった。


 もしかして私のことを覚えていてくれたのかな? それでわざわざご挨拶にきてくれたのかも!


 期待に心を逸らせる私の前に専務さんが立ち、頭ひとつ低い私をじっと見下ろした。

 やっぱり背、高い。それに近くで見ると本当にイケメンだ。

 まるでお人形みたいに整っていて圧倒されちゃう。


 タイトなウエストのカチッとしたグレースーツは、体のラインに綺麗にフィットしていながら立体感が少しも失われていなくて、ひと目でオーダーメイドだとわかる。

 上品な光沢のある上着に、マットな同色の生地のシャツとネクタイを合わせているから、統一感があってとても素敵だ。

 こんなカッコイイ男性と至近距離で向かい合うという初体験に胸がドキドキする。

 完璧な顔立ちを緊張しながら見上げていると、目の前の彼の唇がゆっくりと動いて、私の期待度はMAXまで高まった。
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