一途な御曹司に愛されすぎてます
 初対面だから緊張していたというより、あなたがイケメンセレブすぎて緊張してたんですけれど。


「私はずっと矢島様と、こんな風に楽しく食事がしたかった。願いが叶ってとても幸せです」


 ふわりと柔らかく微笑む彼の頬が、シャンデリアの下でわずかに染まった気がした。

 その純粋な表情と羞恥を帯びた声が、また私の胸を熱くさせる。

 たぶん目の前の彼よりも、私の両頬の方が赤くなっているに違いないと思ったら、ますます顔に血が集まった。


 さっきは意地悪なことを言って私の反応を楽しんでたくせに、なぜ今度はそんな意味深なセリフを、しかもそんな素敵な表情で言うの?

 どうしたって言葉の意味を勘繰りたくなるじゃないの……。


「あなたがまだ旧姓でいてくれてよかった。名字が変わっていたら名簿を見ても気がつかなかったかもしれませんからね」


 赤くなった頬を見られるのが恥ずかしくて下を向いていたら、そんなことを言われてふと視線を上げた。


「旧姓?」

「階上の里にご一緒にいらしていた方と、もしかしたらそろそろご結婚なさるのではないですか?」
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