一途な御曹司に愛されすぎてます
 できるだけ明るく、明るく。

 軽く軽~く、ソフトに。気まずくならないように。

 そう心掛けて一生懸命に笑顔を見せる私を、専務さんはひどく真剣な面持ちで見つめながら口を開いた。


「彼とは別れたのですか?」

「はい。別れました」

「ということは矢島様は現在、フリー?」

「はい。恋人募集中です」


 そう答えた途端、専務さんの目がギラッと強い光を放った。……ように見えた。


「……そうですか。よく、わかりました」


 彼は静かにそう言って残ったワインを飲み干し、ゆっくりとグラスをテーブルに戻した。

 次の瞬間、矢のように真っ直ぐな彼の視線が私を捕える。

 強固な意思を感じさせる目つきと、彼から漂ってくるオーラの急激な変化に私はビクッと身を震わした。
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