一途な御曹司に愛されすぎてます
 それ、あなたが決めることですか?

 ていうか、なんで私の部屋でデザートとアルコールをいただかなくちゃならないの? いや、私の部屋ってわけでもないけど。

 ていうかあなた、部屋に入り込むつもりなんですか!?


「困ります!」

「私は望むところです」

「望まないでください!」


 思わず両手でテーブルを叩いてしまった。

 なんなのこの会話! ほんとに意味不明なんだけど!


「部屋でデザートを食べ終えたら、今度こそ本当の事情をご説明しますよ。シャンパンを片手にね」

「そんな約束信用できません!」


 どこまでも噛み合わない会話に悲鳴を上げると、周りのお客さんたちから非難の視線を浴びてしまった。


「矢島様、どうぞお静かに。他のお客様方のご迷惑になりますので」


 専務さんが優雅な仕草で自分の口元に人さし指を当て、猛る私を穏やかに諭す。

 他のお客に迷惑って、あなたが私にかけてる迷惑に関しては一切考慮なしですか!?
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