君とスマホと僕と
ピクリと私の表情が強ばった。それを見せるのが嫌で少しだけ視線を逸らした。逸らした先にいつの間にいたのか陵馬と目があった。
「おはよう。何話してるの?」
陵馬はあっけらかんとしていた。話しを聞いていなかったのだろうか。もしくは聞いていながらも聞いてない振りをしているのだろうか。どのみち今はそんなことどうだっていい。
「はよう。君の話しをしていたんだよ。この子たち君に話しがあるんじゃない?」
私の言葉に躊躇ったのは女子の方だった。
なに?と陵馬が問うと女子はひと言ふた言話してから逃げるように席を離れた。
「ゆ…凉音、あの子たちと何話してたの?」
陵馬は気使わし気に訊いてきた。それが余計にうざかった。
「別に。さっき言った通り君の話しだよ。モテるのはいいけど私を巻き込まないでほしいね。」
私の皮肉たっぷりの言葉は陵馬を苦笑させるばかりだ。それを私は心得ている。現に陵馬は今も苦笑している。

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