君とスマホと僕と
「神谷さんって、如月君のこと好きなの?」
朝、登校して早々に女子に絡まれた。普段の行いからして絡まれることはまずないのだが、これも昨日からの隣人である如月陵馬のせいであろう。あいつが来たら何か文句でも言ってやろうとひとつ心に決めた。
さて、本題に入ろう。第一に何故私が陵のことを好きでなければならないのだろうか。そんな素振り一度でも見せただろうか。答は否だ。恋愛脳は女子の専売特許なのだろうか。面倒くさい。
「や、別に。」
私が素っ気なく返すと女子の一人が食い下がった。
「嘘だ!あんなに仲良さそうだったじゃん!」
私は軽く舌打ちした。
「仲良いからって好きとは限らないし、仲良くねーし。あと、そういうの興味ないから。」
この手の女子は嫌いだ。勝手に人の気持ちを決めつけ攻撃してくる。うざくて仕方がない。私としては、女子の中では最も関わりたくない。牽制してるのだろうが、そんなのは意味が無いだろう。結局誰と付き合うかは本人が決めるのだから。牽制してる間に別の誰かと付き合った、とかになったらそれもまた傑作だろう。
「そういえば神谷さんって昔なんかあったって話しじゃん。」
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