イジワル御曹司ととろ甘同居はじめます
「忘れ物はないか?」

「大丈夫だよ」

待ちに待った旅行当日。昨夜はドキドキワクワクして眠れなかった。

目が冴えた私は早起きして朝ご飯にとおにぎりを握った。

実はどこの温泉に行くのか教えてもらってないのだ。

聞いているのは肩こりにいい温泉ってことだけ。


高速道路を走ること約3時間。ビルの建ち並ぶ景色から森林生い茂る景色へとかわった。

車の窓を少しだけあけると澄んだ空気と草や木の香りに包まれる。

それだけでリフレッシュ出来ちゃう。

民家も隣との距離は東京では考えられないほどの間隔。

鹿や狸に注意と都会ではまず見ない標識にも私は興奮していた。

そして車の速度が落ち、車を駐車場にとめる。

だが温泉旅館らしき建物が見当たらない。

キョロキョロまわりを見渡していると荷物を下ろし終えた建一さんに呼ばれる。

「行くよ」

「は、はい」

建一さんから旅行バッグを受け取りついて行くと・・・

「吊り橋?」

目の前には吊り橋がありそこを渡ると旅館があるというのだ。

「もしかして高いところは苦手だった?」

「いえ・・・」

苦手以前に吊り橋そのものが初体験なのだ。

すると建一さんが私の手を取る。

「行こう」

「・・・うん」

私の事を気にかけながらゆっくりと歩いて橋を渡りきる。

「は~~~っ」

緊張から解放された私は橋を渡り終えると大きく息を吐いた。それを微笑ましく見る建一さんにドキドキしてしまう。
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