ファインダー越しの君へ
6 入選
最後の撮影会も終わり、夏休みは過ぎ、二学期が始まった。

最後の撮影日は、これで先輩と過ごす時間が終わりかと思ったら、塁は悲しくなってきて上手く笑えなかった。

けれど先輩は、いい写真が撮れたよと、笑っていた。

そして、帰り際、まじめな顔で言われた。


「塁がいやでなければ、卒業まで撮らせてくれないか」


真剣な表情は、最初にモデルを頼まれた時と一緒だった。

どうしてそんな真剣な願いを断れようか。

どうして先輩を好きになってしまった私が断るはずがあろうか。

そうして、週一度の撮影会は続くことになった。

2人きりの、蜜月のような時間が続いたのは10月の初旬までだった。



 
「ちょっとー、塁、見たよー」


その日学校へ行くと、女子生徒にわっと囲まれた。
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