【医者恋シリーズ2】 冷徹ドクターのイジワルな庇護愛


診察室やオペ室と、病院の奥へと進んでいくと、入院してる動物たちのゲージが並ぶ部屋を通りかかる。


「じゃこ……!」


その中のじゃこがいるゲージを見つけると、つい足が止められた。


「最近は嫌がらずに処置も受けてくれてる。そろそろ引き渡してもいいかもしれない」


前から声をかけられて目を向けると、先生は他のゲージの中の動物たちの様子を覗いていた。


「そうですか……良かったです。ありがとうございます」


じゃことか、動物たちに対しては悪い先生ではないんだよな……。

むしろ、よく診てくれてる感じだし。

動物たちを預かる部屋の奥へと出ると、病院の表からではわからない中庭があった。

建物で囲んだような造りになっていて、中庭に対して二階建ての病院兼住まいは、ガラス窓の面が多い。

庭の奥側に一階が抜けている部分があり、そこから外へと出ていけるようになっていた。

入院している動物の散歩なんかに行く時は、ここから連れて出ているのかもしれない。

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