【医者恋シリーズ2】 冷徹ドクターのイジワルな庇護愛


階段を上がりきると白い廊下が現れる。

壁も高い天井も、床も大理石みたいなマーブルっぽい白だ。

先に奥に進んだ辻先生は、左右にニヶ所づつある黒い扉の右奥の前に行き、そのドアを押し開けた。


「ここを使え」

「あっ、はい、お邪魔しま――」


って!何、このいい部屋!

来客用か何かの部屋なのだろうか。

ベッドメイキングがされた大きなベッドに、ソファーセット、テレビもあるし、ホテルの一室のようだ。

悲しいことに、私の一人暮らしのアパートの部屋より広い……。


「あ、あの……住み込みバイトみたいな身分なのに、こんなにいい部屋をお借りしてしまってもいいのでしょうか?」

「へ〜……案外謙虚なんだな」


先生は私を一瞥し、持っていた私の荷物をソファーの座面にどかっと置く。

「どういう意味ですか?」と不機嫌な声を返すと、睨む私の目の前までつかつかと歩いて迫った。


「そのまんまの意味だ。〝治療費踏み倒したわりには〟って意味」


片方の口角だけひゅっと吊り上げて、先生は意地悪く私を見下ろす。

間近で見たその表情が妙に綺麗で艶っぽくて、こんな嫌味なことを言われても不覚にもドキッとしてしまった。

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