【医者恋シリーズ2】 冷徹ドクターのイジワルな庇護愛
「だっ、誰が踏み倒したんですか⁈ 一括払いができないというだけの話で、時間はかかっても、ちゃんと治療代は――むばっ!」
いきなり伸びてきた手に頬を摘まれ、反論は強制終了。
寄せ集められた私の間抜け顔を見下ろし、先生は「今更うるさい」と窘めた。
「働くって承諾したからには、文句を言わずにやってもらう。わかったな」
「わっ、がっだので、ごの手ぼ、離じでっ」
パッと解放されて自由になった途端、あっという間に血が顔に集まる。
いきなり何をするの⁉︎と驚愕しながらも、急に触れられたことに鼓動が跳ね上がってしまっていた。
「ここは自由に使ってもらっていい。うちにいる間してもらう仕事については下で説明するから、荷物を片付けたら降りてこい」
言いたいことを一通り言い尽くした先生は、白衣を揺らして部屋を出て行ってしまう。
距離間の掴めなさに戸惑い、しばらく熱い顔を冷ますのに時間がかかった。