【医者恋シリーズ2】 冷徹ドクターのイジワルな庇護愛
お盆も明け、八月も後半――。
平日休みのお昼近く、動物たちのご飯の準備を裏方で一人行っている最中、「ひまり」と何やら急いだ様子で辻先生が声をかけてきた。
「はい、どうかされました?」
「それが終わったら出かけるぞ」
「え? あ、はい、わかりました」
出掛けると言った先生は、白衣のまま奥へと足早に去っていく。
スピードアップしてご飯を動物たちへと配り、その後を追いかけた。
出掛けると私を待っていた先生は、やっぱ白衣のまま車に乗り込んでいた。
「あの、どちらに……?」
「保健所に行く。午後の診療には間に合うように戻ってくる」
「保健所、ですか……」
車で十分ほどの保健所へと到着すると、辻先生は通い慣れた様子で広い駐車場から二階建ての建物へと向かっていく。
入り口には【動物愛護センター】の文字があり、中に入ると【譲渡会場はこちら】という看板がわきに置かれていた。
出てきた職員の方に案内され、入った建物から続く外廊下を通り、別館へと進んで行く。
「お忙しいのにすみませんでしたね、辻先生」
「いえ、とんでもない」
「いやね、今うちの担当になってる先生、ぎっくり腰されたらしくて。しばらく来られないって。だから、辻先生が来てくださって助かりますよ」