四つ脚の絵書き歌

正直、この穴に落ちたのは不幸中の幸いだった。一緒に落ち葉も大量に落ちてくれたので、防寒具の代わりに体を暖めることが出来た。その上、吹き付ける風も凌げたのだ。謂わば一石二鳥である。
誰がこんな所に落とし穴を掘ったのかは知らないが(もしかしたら自然に出来たものかもしれないし)、運良く人に見つけてもらえるなんて。

全く、自分はついている。
そう思った途端、視界が真っ暗になった。

< 16 / 28 >

この作品をシェア

pagetop