俺らの本
「うわ~!久しぶりに来たけど、やっぱり眺めがいいね!やっほー!!」


テンションの高い歌が、また訳のわからないことをしている。


「手すりが古いから近づくな、あと、やっほーは山でやれ。」


「ありゃ、それは大変だ。」


歌はつかんでいた手すりを離して、飯を食べ始める。


「そう言えば、もうすぐ文化祭があるね~。」


葵が空を見上げながら言うと、歌がバッと俺を見た。


「そうそう!シロ!朝コバさんを睨んだでしょ!せっかく三人で一緒に回る名案が浮かんだのに!」


「だろうと思った。俺以外のヤツと回れよ。」


持ってたパンを食べ終わり、ビニールをたたみながら言うと、歌はまた不満そうな顔をして葵を見た。


「シロのケチ!!」


「あはは、ケチだね~。」


「ケチケチうるせーよ!」


そんな話をしていたときだった。


ゆっくりとドアが開き、笑い声が聞こえてくる。


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