ラヒの預言書

ソルは思わずキルバルを突き飛ばしていた。


(どうしよう.......どうしよう.......私、穢れてしまった.......神殿を追い出される!!.......コルトーとの約束が果たせないっ!!)


自分の事で精一杯のソルは、キルバルの事など頭の片隅にも無かった。

絶望的な面持ちで、もう一度確認してみる。


「わっ私、本当に.......??」


「もうよいっ!!勝手にしろっ!!お前の事などもう心配はせぬっ!!」


先程までの甘い雰囲気は、何処かに吹き飛んでしまったかの様にソルを一瞥すると、キルバルはそのまま部屋を出ていった。


「.......完全に終わった.....」


今更ながら自分の非礼の数々を思い出して、冷や汗が吹き出した。


「ステーシア!!ステーシア!!」


「はい.......ソル様お加減はよろしいので?キルバル様はお帰りになられた様ですけれど」


「あの.......昨夜の事だけど、私.......その.......キルバル様と.......」


「フフッ.......ええ、少し葡萄酒を飲み過ぎておられて、キルバル様も心配なさっておいででしたが、その後は朝までお二人でお過ごしなさいました」


含み笑いを抑えきれないのか、終始ニコニコと笑いながらステーシアは嬉しそうに話した。


「汗もかかれたでしょう。湯浴みの用意がそろそろ出来た頃合です。少し見て来ますね。ソル様は身体がお辛いでしょうから、休んでてください。」






< 51 / 90 >

この作品をシェア

pagetop