ラヒの預言書
ソルは思わずキルバルを突き飛ばしていた。
(どうしよう.......どうしよう.......私、穢れてしまった.......神殿を追い出される!!.......コルトーとの約束が果たせないっ!!)
自分の事で精一杯のソルは、キルバルの事など頭の片隅にも無かった。
絶望的な面持ちで、もう一度確認してみる。
「わっ私、本当に.......??」
「もうよいっ!!勝手にしろっ!!お前の事などもう心配はせぬっ!!」
先程までの甘い雰囲気は、何処かに吹き飛んでしまったかの様にソルを一瞥すると、キルバルはそのまま部屋を出ていった。
「.......完全に終わった.....」
今更ながら自分の非礼の数々を思い出して、冷や汗が吹き出した。
「ステーシア!!ステーシア!!」
「はい.......ソル様お加減はよろしいので?キルバル様はお帰りになられた様ですけれど」
「あの.......昨夜の事だけど、私.......その.......キルバル様と.......」
「フフッ.......ええ、少し葡萄酒を飲み過ぎておられて、キルバル様も心配なさっておいででしたが、その後は朝までお二人でお過ごしなさいました」
含み笑いを抑えきれないのか、終始ニコニコと笑いながらステーシアは嬉しそうに話した。
「汗もかかれたでしょう。湯浴みの用意がそろそろ出来た頃合です。少し見て来ますね。ソル様は身体がお辛いでしょうから、休んでてください。」