朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】
「今日すきだって言ったばかりだろ。そんでちゃんと付き合ってるわけじゃねーんだから、そういう相手に抱き付いていいよ、はない。馬鹿でも言わない」
とん、と人差し指でおでこを突かれた。
「……申し訳ないです……」
確
かにさっきのは軽率だったと反省している。
流夜くんの気持ちとして、たぶん自分も同じようにすきだと言っていたら、ここまで困らせなかっただろう。
素直に抱き付いてくれていたかもしれない。
……でも、なんでかな。
「なんか、流夜くんなら言っても大丈夫かなーて」
ただ、そう思っている。
一番安心出来る場所が、私の中では『流夜くん』になってしまっているからかな。
場所が人、ってどういうことなんだろう。
上手く説明出来ないんだけど、そんな感じなんだ。
「だからお前……」
流夜くんは驚いたように声に詰まらせた。
私は続ける。
「流夜くんのこと、私は大分すきだから」