クールな国王陛下は若奥様にご執心
努めて明るく振る舞い、笑顔を絶やさない。
それが周りの人達にとって救いになったのか、それともさらなる傷になってしまったのか、リーレにはわからない。
なぜなら翌日にはカリレア王国から迎えが来て、リーレは別れを惜しむ暇もないまま、祖国を後にしなければならなかったからだ。
カリレア王国からの迎えに訪れたのは、凛々しい女騎士だった。
黒髪に青い瞳。
華やかなデザインの鎧を身にまとった美女だったが、その言動は事務的で冷たく、せめて侍女をひとりだけでもつけてほしいという姉の願いを、即座に却下していた。
レスレイラ王国は、敗戦国であるメーオ王国と同じ扱いだ。
だから自分は人質のようなものだろうとリーレは覚悟していたが、王都を出るとそこで待機していたらしい他の馬車と合流し、そこでふたりの侍女がリーレと同じ馬車に乗り込んだ。
これからカリレア王国に着くまで、色々と世話をしてくれるようだ。ふたりとも、カリレア王国特有の黒髪で、年頃は、今年で二十二歳になった姉よりも上だろう。
同じ馬車に乗っている女騎士に監視されているからか、どちらも余計な言葉は口にしなかったが、それでも異国の地に連れ去られるリーレを憐れんでくれたのか、労わるような眼差しを向けてくれる。
それが周りの人達にとって救いになったのか、それともさらなる傷になってしまったのか、リーレにはわからない。
なぜなら翌日にはカリレア王国から迎えが来て、リーレは別れを惜しむ暇もないまま、祖国を後にしなければならなかったからだ。
カリレア王国からの迎えに訪れたのは、凛々しい女騎士だった。
黒髪に青い瞳。
華やかなデザインの鎧を身にまとった美女だったが、その言動は事務的で冷たく、せめて侍女をひとりだけでもつけてほしいという姉の願いを、即座に却下していた。
レスレイラ王国は、敗戦国であるメーオ王国と同じ扱いだ。
だから自分は人質のようなものだろうとリーレは覚悟していたが、王都を出るとそこで待機していたらしい他の馬車と合流し、そこでふたりの侍女がリーレと同じ馬車に乗り込んだ。
これからカリレア王国に着くまで、色々と世話をしてくれるようだ。ふたりとも、カリレア王国特有の黒髪で、年頃は、今年で二十二歳になった姉よりも上だろう。
同じ馬車に乗っている女騎士に監視されているからか、どちらも余計な言葉は口にしなかったが、それでも異国の地に連れ去られるリーレを憐れんでくれたのか、労わるような眼差しを向けてくれる。