クールな国王陛下は若奥様にご執心
この国は、あまり作物が育たない土地なのかもしれない。だからこそ、こうして人や物の流れが頻繁で、経済が発展しているのだろう。
馬車は町に立ち寄り、水や食料など必要なものを補給しているようだ。積荷を確認し終えた女騎士が乗り込むと、馬車はまたゆっくりと走り出す。彼女が出入りしたときに流れ込んできた空気は乾燥していて、少し埃っぽかった。
「ここから王城までは、もう一日ほどの距離だ。夜遅くには到着するだろう」
女騎士は視線を前に向けたまま、そう告げる。リーレは黙って頷くと、窓の外を見つめた。
(レスレイラ王国から、馬車で八日。……随分遠くまで来てしまったわ)
その日は夜になっても馬車は走り続け、女騎士の言うように真夜中過ぎに、馬車はカリレア王国の王城に辿り着いた。
もう周囲は暗闇に包まれ、王城の全貌を伺うことはできなかったが、レスレイラ王国の城と違って建物の高さは低く、その分敷地がとても広い。城というよりも、広大な館のような構造をしていた。館を取り囲むようにしている正門を潜り抜け、石畳が敷き詰められた道を馬車は走る。
ここには、町ではあまり見かけなかった緑もある。だがレスレイラ王国のような花園ではなく、大きく成長した木が多い。大きな噴水から噴き出した水が、月夜に照らされていた。
真夜中過ぎということもあり、リーレは侍女とともにある部屋に案内された。今夜はここで休み、明日の朝にカリレア国王と対面するらしい。
馬車は町に立ち寄り、水や食料など必要なものを補給しているようだ。積荷を確認し終えた女騎士が乗り込むと、馬車はまたゆっくりと走り出す。彼女が出入りしたときに流れ込んできた空気は乾燥していて、少し埃っぽかった。
「ここから王城までは、もう一日ほどの距離だ。夜遅くには到着するだろう」
女騎士は視線を前に向けたまま、そう告げる。リーレは黙って頷くと、窓の外を見つめた。
(レスレイラ王国から、馬車で八日。……随分遠くまで来てしまったわ)
その日は夜になっても馬車は走り続け、女騎士の言うように真夜中過ぎに、馬車はカリレア王国の王城に辿り着いた。
もう周囲は暗闇に包まれ、王城の全貌を伺うことはできなかったが、レスレイラ王国の城と違って建物の高さは低く、その分敷地がとても広い。城というよりも、広大な館のような構造をしていた。館を取り囲むようにしている正門を潜り抜け、石畳が敷き詰められた道を馬車は走る。
ここには、町ではあまり見かけなかった緑もある。だがレスレイラ王国のような花園ではなく、大きく成長した木が多い。大きな噴水から噴き出した水が、月夜に照らされていた。
真夜中過ぎということもあり、リーレは侍女とともにある部屋に案内された。今夜はここで休み、明日の朝にカリレア国王と対面するらしい。