クールな国王陛下は若奥様にご執心
それから朝まで、リーレは眠れなかった。
眠れるはずがなかった。
自らの手で切り落とした金色の髪の前に座り込み、リーレはずっと考えていた。
それは先ほどのレイドロスの自分の妃にするという言葉、彼の何かに餓えたような瞳や冷酷な態度、そして彼の内側に巣食う深い闇のことを。さらに最後に優しく触れた指の感触を、何度も思い出していた。
(私は……。どうすればよかったの? これからどうしたらいいの?)
どんなに考えても、答えなど浮かんでこない。
ただひとつだけはっきりしているのは、もう後戻りはできないということ。
レイドロスはあの言葉通り、リーレを自分のものにするだろう。彼が自分の言葉を撤回するとは思えない。
そうしているうちに、静かだった王城に人の気配が感じられるようになってきた。
窓から差し込む光が、次第に強さを増し、床に散らばっていた金色の髪が光を反射している。
だが侍女が朝の支度を手伝うために部屋を訪れても、リーレはその場から動けずに座り込んでいた。
扉を叩く音がする。
鍵は掛けられていない部屋だが、侍女は返事があるまで開けるつもりはないようだ。だが何度も呼びかけられても、それに答える気力がない。
眠れるはずがなかった。
自らの手で切り落とした金色の髪の前に座り込み、リーレはずっと考えていた。
それは先ほどのレイドロスの自分の妃にするという言葉、彼の何かに餓えたような瞳や冷酷な態度、そして彼の内側に巣食う深い闇のことを。さらに最後に優しく触れた指の感触を、何度も思い出していた。
(私は……。どうすればよかったの? これからどうしたらいいの?)
どんなに考えても、答えなど浮かんでこない。
ただひとつだけはっきりしているのは、もう後戻りはできないということ。
レイドロスはあの言葉通り、リーレを自分のものにするだろう。彼が自分の言葉を撤回するとは思えない。
そうしているうちに、静かだった王城に人の気配が感じられるようになってきた。
窓から差し込む光が、次第に強さを増し、床に散らばっていた金色の髪が光を反射している。
だが侍女が朝の支度を手伝うために部屋を訪れても、リーレはその場から動けずに座り込んでいた。
扉を叩く音がする。
鍵は掛けられていない部屋だが、侍女は返事があるまで開けるつもりはないようだ。だが何度も呼びかけられても、それに答える気力がない。