クールな国王陛下は若奥様にご執心
「陛下がそう決められたのならば、誰も逆らえません。それにもし、あのふたつの国が再びこの国に逆らうような構えを見せれば、陛下は今度こそ完全に滅ぼそうとするでしょう」
父や姉はきっと、カリレア王国に向かったリーレのためにも、自分達から戦争を仕掛けることはないと思う。今回だって、僅かに支援をしただけだ。
だがメーオ王国のことまではわからない。あの国は、王太子を奪われたことで激しい恨みを抱いている。彼女もそう思っていたようで、あの国の対応次第で、まだ祖国は危機に陥る可能性があると告げた。
「事を起こすとしたらメーオ王国でしょう。もしそれに今度はレスレイラ王国が関わっていなくとも、同列と見なすかもしれません。陛下は誰の意見も受け入れることはありませんが、あなたならば……。自ら妃と定めた正妃の懇願ならば、聞き入れてくださるかもしれません。これは祖国を守るための政略結婚。そう思われたほうが、よろしいかと」
「政略結婚……」
小国だが王女であるリーレには、無関係なものではない。
あのまま祖国に残っていたとしても、リーレの夫は父が決めていた。そして昨日の夜にレイドロスに会わなくても、彼はリーレを戦利品として誰かに与えるつもりだったのだ。
どちらにしろ政略結婚をしなければならないのならば、少しでも祖国のためになれるような結婚をするべきだ。
父や姉はきっと、カリレア王国に向かったリーレのためにも、自分達から戦争を仕掛けることはないと思う。今回だって、僅かに支援をしただけだ。
だがメーオ王国のことまではわからない。あの国は、王太子を奪われたことで激しい恨みを抱いている。彼女もそう思っていたようで、あの国の対応次第で、まだ祖国は危機に陥る可能性があると告げた。
「事を起こすとしたらメーオ王国でしょう。もしそれに今度はレスレイラ王国が関わっていなくとも、同列と見なすかもしれません。陛下は誰の意見も受け入れることはありませんが、あなたならば……。自ら妃と定めた正妃の懇願ならば、聞き入れてくださるかもしれません。これは祖国を守るための政略結婚。そう思われたほうが、よろしいかと」
「政略結婚……」
小国だが王女であるリーレには、無関係なものではない。
あのまま祖国に残っていたとしても、リーレの夫は父が決めていた。そして昨日の夜にレイドロスに会わなくても、彼はリーレを戦利品として誰かに与えるつもりだったのだ。
どちらにしろ政略結婚をしなければならないのならば、少しでも祖国のためになれるような結婚をするべきだ。