クールな国王陛下は若奥様にご執心
「わかっているとは思うが、俺には敵が多い。俺を狙うのが無理なら、その刃がお前に向けられることもあるかもしれない。直接的な攻撃だけではなく、悪評やまったく見知らぬ者に敵意を向けられることもある」
 見知らぬ誰かに恨まれ、命を狙われる。想像すると恐ろしいが、わざと周囲の恨みや怒りをかっているとしか思えない彼の行動を考えれば、あり得ないことではない。
 それでも躊躇うことなく頷く。
「すべて、覚悟の上です」
 夫婦になるのならば、運命をともにする覚悟が必要だ。しかも寵姫などではなく、リーレはこの国の正妃になるのだ。
 リーレのそんな覚悟が伝わったのだろう。彼女の答えに満足そうな笑みを浮かべて、レイドロスはリーレの短くなった金色の髪に触れる。
 さらりと流れる髪を弄んだ。
「お前を選んだのは、間違っていなかったな。運命をともにするというのならば、お前にだけは、俺のすべてを見せよう。だからお前も、何も隠すな。怒りでも痛みでも、この国への恨みでも、思ったことを話せ。他の者のくだらない意見など聞くつもりはないが、お前だけは別だ」
 リーレだけは何を言っても咎めることはないと、彼は言った。
 キィナの言っていたように、レイドロスは誰の意見も聞かないようだが、リーレの言葉だけは聞いてくれるようだ。
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