君の隣でその白いドレスを着たくて






「君が幸せな気持ちになれたのなら、よかった。」



「あっ・・・、なるほど。はい。」



なるほど。なんて言っておきながら、全く言葉の意味は理解できなかった。

けれど、なぜか先輩が、婚約者さんの話をするときみたいな笑顔でふっと笑ったから、
その笑顔をもう少し見ていたくて、言葉の意味を聞くのは躊躇われた。



「じゃあそれ脱いで。」



「はい。」



────



着替え終わると、一緒に先輩のアトリエを出た。

先輩はあたしを家まで送ってくれた。



「じゃあな。」



「はい。」



お互いが軽く手をふった後、あたしは家に入った。





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