君の隣でその白いドレスを着たくて






寝る支度をすませ、布団に入る。


寝ようと思い目を瞑ったけれど、ふと五十嵐先輩の笑顔がよぎった。

すごく優しくて、綺麗な笑顔だった。


あたしはそんな笑顔に、惹かれつつあることを自分でわかっていた。

笑顔だけではない。

きちんと家まで送ってくれるさりげない優しさだったり、

あたしが怪我をしてしまった時に突き飛ばした子を、わざわざ探して謝るよう促す正義感だったり、

生徒会長の役目をきちんと果たす真面目さだったり、

一見あんなに嫌な人なのに、根は真面目で優しい人だと知って、キュンとしてしまったのは事実だ。


でも先輩にはもう既に相手がいる。

相手を思うたびあんな笑顔をするんだから、すごく好きなのだろうと思う。





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