俺様外科医の極甘プロポーズ

「そんな恰好でどこへ行こうというんだい」

 先生は私の腕をつかむとドアに押し付ける。

「晴也先生、落ち着いてください」

「何言ってるんだよ。僕はいたって冷静だ。だって、こうなることは計算済みなんだからね」

 晴也先生はそう言って笑った。けれど目はまるで笑っていない。

「計算済みってどういうことですか? まさか、ホテルの予約ミスもすべて先生が仕組んだっていうんですか?」

「ご名答」

「どうしてそんなこと」

「どうして? それは君が壱也の婚約者だからだよ」

壱也さんの婚約者だから? 晴也先生の言っている意味が分からない。

「何をおっしゃりたいのか私にはわかりません」

「……わからない? なら教えてやろうか。僕は院長候補から外された。あいつのせいで、職員の信頼も地に落ちた。すべて奪い取って、自分だけ幸せになろうなんて許せない。俺が全部奪ってやるんだ」

「待ってください! それの何がいけないんですか? 壱也さんはその分努力してます! 彼の幸せを邪魔する権利なんて、あなたにはありません!」

「うるさい!」

 振り上げられた掌が私の頬を打った。痛みよりも恐怖の方が増さって、悲鳴を上げた。

膝の力が抜けて、倒れそうになる私の腕を晴也先生がつかむ。

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