俺様外科医の極甘プロポーズ
月曜日の病棟はいつも戦場だ。オペ日に加えて、土日に行えなかった検査や処置がたくさん入っている。
オペ出し検査出し、処置の介助。患者さんの状態に合わせて病室を移動させたりと、たくさんの仕事が次々に押し寄せてくる。
私は黙々とそれらをこなす。手伝ってなんて言えない。
ようやく落ち着いたのは昼を二時間ほど過ぎたころだった。
休憩室にそっとお土産を置いた。旅館で食べたおいしいお饅頭をかってきたのだ。あえて私からのお土産だと言わずにいれば、きっと食べてもらえるに違いない。
「あ、お饅頭が置いてある! 誰のお土産かな?」
ちょうど休憩室に入ってきた田口さんはそういって目を輝かせた。
「私、ダイエット中なんだけどこれだけ働いたからいいよね」
一緒にやってきた同僚にそう言いながら手を伸ばすと包装紙を豪快に破る。私は素知らぬ顔でお弁当をつつきながらその様子を見ていた。
皆に食べてもらえたらそれでいい。楽しかった旅行の土産話を聞いてほしいだなんて思わない。
以前ならそうしていただろうけれど、今は無理だ。それに誰と一緒に行ったのか、という話題になった時に正直に話せるはずもないのだ。