そして、失恋をする
「そう、なんかうらやましいなぁ。陸君が」

僕の言葉を聞いて、千夏がうれしそうな表情をした。

「え、なんで?」

僕は、不思議そうな顔をして千夏に訊いた。

「私、病院生活が長いから、学校なんてほとんど行ってないからさぁ」

なにげない口調でそう言った彼女だったが、千夏の瞳はかすかにうるんでいた。

「ごめん、千夏」

「陸君があやまることじゃないよ。こんな質問したのは、私からだしね」

そう言って千夏は、自分の胸に指さして笑った。その笑顔が、なんだか悲しく見える。

「それに、私はうれしいんだ」

「うれしい?」

千夏の言葉を聞いて、僕はふしぎそうな顔をした。

「どうして?」

僕は、怪訝そうな顔をして彼女に訊いた。

「だって私は学校に行ってないんだから、学校に行ってる陸君にいろいろ質問できるでしょ?」

そう言うと、千夏はうれしそうな顔をした。

千夏はほんとうに病院生活が長いのだろう、学校をしばらく行けてないのが今の表情で伝わる。
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