そして、失恋をする
「アルバイトかぁ、いいなぁ。私も、一度もやってみたいよ。”仕事〟というの」

僕の話を聞いて、千夏がうれしそうにそう言った。

「え、なんで?しんどいだけでしょ。それに、僕はアルバイトしてないよ。友人がしてるだけだよ」

楽しそうに言う千夏とは対照的に、僕の考え方はどこか現実的だった。

「え、陸君はしてないの?」

「してない」

僕は、すぐに否定した。

これで、二回目だ。

「なんで?絶対にやったほうがいいよ。”仕事〟」

「仕事じゃなくて、バイトね」

千夏のどうでもいいまちがいを、僕はあっさりとした口調で指摘した。それを聞いた千夏が、「細かい」と言って頬をぷうっとふくらまして僕を見た。

「ご、ごめん」

僕は、気まずそうに謝った。

「でも、なんで千夏はアルバイトした方がいいと思ってるの?」

僕は、疑問に思ったことを彼女に訊いた。

ーーーーーーどうせ、社会に出たら、みんななにかしらの仕事に就く。学生の時間なんて社会人の時間とくらべたら、あっという間に終わって過ぎ去ってしまうのに。

そう思ったのた同時に、数年先の自分も社会に出て仕事をしてるのだろうなぁと想像した。
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