そして、失恋をする
「そっか、しないのか‥‥‥」

そう言って千夏は、ふしぎそうな顔をした。

「てっきり、してるかと思った。その友だちと」

「してないよ」

目を丸くして驚く千夏に対して、僕はそっけない口調で否定した。僕の脳裏に、好きだった”千春〟の姿が浮かんだ。

ーーーーーーしてないと言ったらうそになるかもしれないけど、できるだけさけてるだけだ。

「じゃあ、どんな話をしてるの?」

千夏が、小首をかしげて僕に訊ねた。

「付き合いが長いせいもあって、色々な話をしてるよ。流行のゲームの話とか、アルバイトの話とか」

学校での話題を、僕は千夏になにげない口調で説明した。

ふと、僕の視界に青空が見えた。普段教室の窓から見ている青空よりも、青く見えたように感じた。
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