そして、失恋をする
《ごめん。今日は、なんとなく休みたい気分。明日は、学校に行くよ》

不慣れた手つきで、僕は親指で画面をタッチして文字を打ち込んだ。

空を見上げて見ると、修也の言うとおりすでに午後を過ぎていた。季節が夏なので空はまだ明るいが、後二時間ぐらいすれば、太陽は西に傾いて夕方になる時間だ。

「返事したの?」

「したよ」

そう言って僕は、再びスマホをポケットにしまった。

「友だちからは、なんて送られてきたの?」

あっさりとした口調でそう僕に質問した千夏だったが、その言葉とは逆にどこか興味なさげな様子だった。

「〝学校に来い〟って送られてきた」

僕は修也から送られてきたLINEの文面を千夏に伝えた。

「そっか。友だちに悪いことしたみたいだね」

開いた口から小さな声で、千夏はそう言った。

「なんで?」

「だって友だちの時間、私がうばったみたいだから」

そう言いながら、千夏は僕に視線を向けた。

千夏の茶色瞳が、悲しそうに潤んでいた。

「そんなことないよ」

僕は、はっきりとした口調で千夏にそう答えた。

ーーーーーー千夏の言うとおり、修也との時間はなくなった。けれど、千夏と会う方を選んだのは僕だ。
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