そして、失恋をする
「千夏‥‥」

彼女の名前を口にした僕の声は、少し涙混じりだった。うれしさと悲しさが相反的にぶつかる。

「一周間前まではそんな感情私にはなかったことだし、私には関係ないことだと思ってた」

そう言いながら、千夏は僕から花火に視線を移した。残り数少ない花火を手に取り、先端に火をつけようとする。

「一周間ってさ、長いのか短いのか、よくわからないよね」

困ったように笑いながら、千夏は火がついた花火を見つめる。シャワーのようなオレンジ色の花火が、勢いよく点火先から飛び出す。薄い煙がゆらゆらと上空に消え、次第に花火の色も変化した。

「確かに。それは、ほんとそう思う」

千夏の気持ちに合わせたわけではないが、僕もそう感じる。長く感じたり、短く感じるときがある。そして、千夏との一周間は短く感じた。
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