そして、失恋をする
「ありがとう、陸」

謝るのかと思いきや、千夏は僕にお礼を言った。その声は小さく、どこか悲しそうな声で。

「えっ!」

僕は、小さく驚きの声を上げた。

彼女の口から謝罪の言葉を予想していただけに、お礼の言葉がうれしく思えた。

「私も、陸のことが好きだったの」

彼女の想いを耳にして、僕の頬が一気に赤くなる。はずかしいのだろうか、千夏の顔もかすかに赤くなっていた。

ーーーー千夏。

短い時間、周りの声が消えたのかと思うぐらい静かになった。自分の鼓動が速くなっているのがわかる。
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