そして、失恋をする
午前中の授業が終了し、壁掛け時計の針が午後十二時二十分を指していた。昼休みの真っ最中だからか、男女の話し声が教室に聞こえる。
「さっきから空ばっかり見上げてるけど、空に好きな人でもいるの?」
空いた教室の窓から青空をぼうせんと見上げていると、背後から女性の高い声が僕の耳に聞こえた。
「ん!」
振り向くと、頬にえくぼを作った希の姿が僕の瞳に映った。
「べつに、いないよ。ただ、天気がよかったから見ていただけ」
それは、嘘だった。
ほんとうは、空に僕の大好きな人がいる。僕が死ぬまで一生会えないけれど、空を見てると千春がそばにいるようなそんな幸せな気持ちになれる。