そして、失恋をする
「そう」

短く答えて希は、僕の隣に並んで一緒に青空を見上げた。

「え!」

少し驚いて、僕は希に視線を向けた。

なんだか希との距離が近く感じて、彼女の横顔がいつも授業中で見るときよりもはっきりと僕の瞳に映った。

「ほんと、いい天気ねぇ」

額に手をかざして、僕はそう言った。

希の言ったとおりどこまでも広がった青一色の夏空は最高に天気が良く、僕はこういう天気が好きだった。

「なんか意外だね。陸が、恋愛ドラマ見てるなんて」

「そうか?」

「うん、意外」

「どこが意外なんだ?」

僕は外の景色に目を向けたまま、希に訊いた。

「ほとんど女性としゃべってる姿見たことないのに、恋愛ドラマ見てるところが意外」

さらりと言った希の言葉を聞いて、彼女はよく僕のことを見てるんだなぁと思った。

確かに僕は、女性とほとんどしゃべったことがない。僕が決まってしゃべる相手は、修也。希ともこうしてしゃべることもあるが、友人間系までだ。それは、千春以外に僕はもう人を好きになりたくなかったからだ。
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