そして、失恋をする


「進路か………」

家に帰ってすぐ、僕は自分の部屋のベッドで横になっていた。

今までずっと千春のことばかり考えており、自分のことなんて考えていなかった。

ーーーーーープルプル!

そのとき、僕の白色のスマートフォンからけたたましい着信音が聞こえた。

「千春から、電話?」

液晶画面に表示されていた名前は、秋野千夏だった。

『もしもし、陸君』

「うん、そうだよ」

『学校、終わった?』

「うん、終わったけど。どうして?」

『なら、今から会おうよ。私、病院にいるから』

「え、病院………」

『うん。総合病院で入院してるんだ。私、待ってるから』

「え、おい………」

僕の返事も聞かず、千夏との通話がそこで切れた。
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