そして、失恋をする
「また、来てくれたんだ」
千春が入院している総合病院に到着すると、彼女はうれしそうに言った。
千春のお墓参りをした後、僕は電車で千夏が入院している総合病院に向かった。
「今日は土曜日で、学校が休みだったから」
そう言った僕だが、ほんとうは学校がある日でも休んで千夏と会いたい。その感情が強くなれば強くなるほど、忘れていた僕の恋愛感情がよみがえる。
「体調は、だいじょうぶ?」
「べつに、昨日と変わらないよ」
「そう……だよね」
千夏の言葉を聞いて、僕は少し悲しくなった。
昨日よりも、今日。今日よりも、明日。千春の体が少しでも楽になってくれたらと思ったが、そんな奇跡はない。余命だって一周間と宣告されてるが、運が悪かったらもっと早く命を落とすかもしれない。