そして、失恋をする
「………どうして、私なんだろうね」

「えっ?」

「神様は、どうして私を癌にしたんだろうね。私のことあまり好きじゃなかったのかな?」

「千夏………」

今の千夏を見て、僕は〝そんなことはない〟とは言えなかった。

十七歳という若さで死の宣告を受け、癌でいつ死ぬかわからない状況に立たされている彼女は、とても神様に好かれてるとは言えなかった。

「私、死ぬんだよ。まだ、十七歳だよ。なのに、どうして………」

訴えかけるような目で千夏に見つめられたけど、僕は彼女にかける言葉が見つからなかった。

ーーーーーーたしかに、なんでこんな若い千夏が癌で余命宣告をされないといけないんだ。彼女はまだ僕と同じ十七歳だし、楽しいことがこれからじゃないか。なのに、どうして………。

毎日死の恐怖と戦っている千夏の気持ちを考えると、胸が苦しくなった。
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