そして、失恋をする
「高校一年生の夏のときに余命一年と宣告され、私はしばらく休学した。母親も私の治療に専念するために、仕事をしばらく休職したの。でも、父親はこんなになった私のためにも今まで以上に働いてくれた。どんなに仕事が忙しくても、週一回は私が入院している病院にお見舞いに来てくれた」

ここまでの千夏の話を聞く限り、父親が出て行く原因は見つからなかった

「でも、日に日に病院に来る回数が減り、次第に月に一回来るか来ないかペースになったの」

そこで突然、千夏の声が暗くなった。嫌な感じがして、僕の心臓がドクリと音を立てた。

「そして数ヶ月たったある日、両親は別居したの」

「別居‥‥‥‥‥」

かすれた声で呟いた僕の声を聞いて、千夏はコクリとうなずいた。

「両親が別居してから数日後、二通の手紙が私と母宛に送られてきたの」

「手紙‥‥‥‥‥」

僕が呟いた後、千夏はコクリとうなずいた。


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