* Reality * ~鏡の顔~
「心美は いつも俺の癒し過ぎて仕事を忘れてしまうな…」

「愛兄、ちょっと近すぎて 報告出来ないから離れて…」

「本当は膝の上に乗せて愛でたいくらいな気持ちを我慢してるんだ。このままでいいだろ?」

仕方ない。とは思いたくないけど、言うことを聞いていた方が身の為、私の為と諦める。

「///ん、いい子だ。」

なぜか頭を優しく撫でられていて、私何歳だっけ?とちょっと考えてしまう。

愛兄は近所に住んでいた幼なじみのお兄ちゃんで、いつも小さい時から私を守ってくれていた。高校の時に私の家が引っ越しをしたから、それからは音信不通になってしまって…


だけど…まさか大人になって この仕事のボスが愛兄で再会するなんて…世間は狭いにも程がある。

「なぁ心美、この仕事いつまでするんだ?」

またその話?

「う~ん、私が無理だと思った時かな?」

「そうか、だけど…心美仕事でパーフェクト過ぎるからな。困った事に。…で、あの男とはあれからは何もないのか?」

愛兄は狡い。こっちサイドの焦りなんてお構いなしに 絶対私より情報握ってる癖に探りをわざと入れてくる策士…

ニヤリと笑うイケメン───。
あの人に限りなく似ているあの顔で、私を今日も惑わすのであった。

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