処刑バッヂ
「あははっ。あの時のあたしみたい」


真奈ちゃんが後ろからそう言った。


「今の声はなに……」


硬直したままそう呟いた時、暗がりの向こうから人が歩いてくるのが見えた。


1人、2人、3人……。


ううん、もっと沢山いる。


10人は超える人間たちが、晴康、麻央、ツクシの体を担いでこちらへ歩いてくるのだ。


「うそでしょ……」


あたしは涼希の手をきつく握りしめた。


涼希の顔は恐怖で歪んでいる。
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