処刑バッヂ
本能的に麻央の手を振り払い、トイレから逃げていた。


外では他の生徒が持っているバッヂが鳴っていて騒音のようになっている。


「捕まえなきゃ!」


トイレから出て来た麻央がそう叫び、数人の生徒がハッとしたように動き出す。


「逃げろ!!」


そう言ったのは涼希だった。


なんで?


なんで?


涼希と一緒に走りながらも、疑問が渦巻く。


バッヂを持っていたって関係ない。


あたしたちは友達なんだから、処刑なんてありえない。


そうだよね?


そうだよね!?
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