【完】キミスター♡
緋翠とデート。
久しぶりのデート。

それだけで、心はウキウキと踊りだし、こんなにも晴れやかになる。

やっぱり、好き。
どんな緋翠でも…。

当日はどうしようかな。
折角だから、浴衣でも着ちゃおうかな。
お母さんから着付けを習ってあるから、一人でもちゃんと着られるし。
…もしも、何かの拍子に乱れることがあっても、さっと直せれば緋翠もこんな私を見直してくれるかもしれない。

私は、浮足立った状態で、何着か持っている浴衣を自分に宛てがい鏡に映して、微笑んだ。


緋翠が喜んでくれることなら、なんでもしたい。
そんな風に思える自分は大好きだ。

だって、こんなにも…私は緋翠が好きなんだと感じられるから。


緋翠はどんな格好で来るのかなぁ…?
私服のセンスもばっちりな彼のことだから、周りが本当に放ってはおかないだろう。
だから、私は待ち合わせ時間よりも30分早くその場所に行こうと心に決めた。

自分に自信がなくても、…緋翠が私だけ見ていてくれるって思っていても、やっぱり他の人に好気の目で見られるのは嫌だから…。


「んー!早く来ないかな!お祭り!」

結局薄紫色のしっとりした浴衣に決めた私は、それを壁に掛けてからベッドでジタバタ動いて、スマホのメールアプリを開く。

『緋翠に、早く会いたい♡』


とだけ打って…。


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