課長の溺愛に付いていけません
午後6時を回って、コピーの枚数は30枚に達した。

「あと半分ね。」

他の同僚達は、定時で上がって、オフィスには私と橋本君が残った。


「それにしても、今日の課長には、がっかりしましたよ。」

「えっ?」

橋本君は、次の10枚の葉書をセットした。

「普段、あれだけ姫の事、可愛い可愛いって言ってたのに、今回助けるどころか、見放したじゃないですか。」

胸がチクッとなった。

やっぱりあれって、課長に見放されたのかな。

「本当は、気に入ってる振りをして、虐めたいだけなんじゃないですかね。」

「そんな事……ないよ。」

課長に限って、そんな……

でも、はっきり違うって、否定できない。


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