課長の溺愛に付いていけません
私はワイワイ言っている橋本君を置いて、資料を会議室に持って行った。

それよりも橋本君。

この前、私に告白紛いの事をしたけれど、その事忘れてない?

「受けなくて、ホントよかった。」

まあ、その前に課長が現れて……

その瞬間、私の顔はボッと赤くなった。


『森は、おまえに渡さない。』


課長が言い放った言葉に、胸が熱くなる。

そこまで言ってくれているのに、逆になんで課長は、私に告白してこないんだろう。

不思議だ。


すると目の前に、阿部課長が廊下に立ってるのが見えた。

何かを探しているようで、辺りをキョロキョロ見ている。

「どうしました?」

私は、何気なく声を掛けた。

「ああ、会議室が見当たらなくて……」

振り返った阿部課長は、私を見て、二ッと口角を上げた。


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