課長の溺愛に付いていけません
「君、池田の部下だ。確か名前は……」

「森姫花です。」

「そうだ、姫花ちゃんだ。」

いくら若いからって、名前+ちゃんづけ。

課長のポストにいるんだったら、そこもう少しちゃんとしてほしい。

「ところで会議室なら、お連れしますよ。」

「あっ、ホント?」

「私も今から行くので。」

そう言って、阿部課長の前を歩いたけれど、自分が会議室に行く用事がなかったら、ご免こうむりたい。


「姫花ちゃんって、クールだね。」

「そうですか?」

今の会話で、クールに見せているところなんて、あったかな。

「他の女子だったら、俺の事を見て騒ぐのに、姫花ちゃんは騒がないだろう?」

「……はははっ。」

そう言う意味だったら、いつまでも冷静でいたい。


< 35 / 57 >

この作品をシェア

pagetop