課長の溺愛に付いていけません
「だー!普通女は、そう言ったら嬉しがるもんだろう!」

「好きな人に言われたらの話です!」

「何!?じゃあ、おまえは俺の事、好きじゃないのか!」

「えっ……」

急に、私の顔が赤くなる。

「えっ……」

続けて、課長の顔も赤くなる。


あの時、課長に助けを求めたのは……

何だったんだろう。

もしかして私、課長の事……


「あーあ。せっかくシチュエーションが整ってたんだから、阿部課長を追い出して、おまえを抱いておけばよかったな。」

「は……はい?」

胸がバクバクしてくる。

落ち着け。

まだ、課長の事好きだって、決まった訳じゃない。


「そ、そんな事したら、セクハラで訴えます。」

「そこはやっぱり、森なんだな。」

なんだか、波乱の始まりのような気がする夜だった。


< 49 / 57 >

この作品をシェア

pagetop