課長の溺愛に付いていけません
私の顔を見て伸ばしてきた手は、私の手に覆いかぶさりながら離れて行った。

一瞬だけ、私の頬がカァーッとなる。

「どうした?森。」

「えっ?いいえ。」

私はさっき課長の手に触れた右手を、後ろに回した。


もう、課長ったら。

そんな事、恋人がやるような仕草じゃないか!

付き合ってもいないのに、恥ずかしいじゃん!


「そうだ。森もメンバーに入るか?」

「えっ?」

私は頭の中が、真っ白になった。

次の商品を決める会議に、役職も持っていない私が、入ってもいいのか。

ううん。

入っちゃあ、いけないと思う。

「いいんですか?池田課長。森にはまだ、役職がないですよ?」

「心配ない。俺は、こいつを気に入っている。」

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