冷たい部長の甘い素顔
やはり彼女は、悪評が定着している俺に対しても壁を作らない。
俺の中で、彼女の特別感がさらに膨らんでいく。

「で?
言い訳とやらを聞かせてもらおうか。」

俺が合コンの理由を聞くと、合コンに呼ばれる理由だけではなく、彼女の中の合コンに参加する理由を語り始めた。

「実は私、8月に男に振られまして…
初めは、仕事に集中したいから…っていう
よく分からない理由で振られたんですけど、
8月末に友人の所に元カレから結婚式の
招待状が届いたんです。
どうも、二股かけた挙句、相手を妊娠させた
らしくて…

悔しいから、合コンで私だってモテるんだぞ
っていう事を自分で認識したいというか、
いい女だって自信を持ちたいというか…」

彼女の失恋の理由を聞いて、相手の男に対する怒りがふつふつと沸き起こる。

「だけど、もう恋愛はこりごりだから、相手が
デートに誘ってくれたら、それをお断りして、
さよならにしてるんです。

私の中では、もう、一生独身の決意をしました
から…

だから、一生独身のつもりでいるのに、
男漁りをしてると思われてるのは、心外と
いうか、納得がいかないので、言い訳を
させていただきたかったんです。」
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