LOVE DAYS
「ちょ、麻友ちゃんっ、」
今から帰ろうとする麻友ちゃんの腕をあたしは慌てて掴んだ。
「なに?」
「麻友ちゃん、今日って言うか今から空いてるよね?」
「えー、無理よ。あたしエステの予約してんだ。なに?どうしたの?」
「テストの結果悪いから追試…」
「はぁ?あんたどんな点数とったのよ」
「うん。言えないけど…だから教えてほしい」
「無理無理。なかなか予定合わなくてやっと予約とれたんだから」
「えー…あたしの人生かかってる」
「はぁ?…って、あ。カイト居るじゃん。ねぇカイト?」
今にでも出ていきそうなカイトくんに麻友ちゃんは呼び寄せる。
カイトくんと言うのは晴馬くんと唯一3年で仲がいい人。
どちらかと言えば超クールで、晴馬君とは対照的に性格が違うし真面目な存在。
こうも性格が違うのに何故か1、2年の時に同じクラスになって以降仲がいい。
なんだか不思議だ。
「…なに?」
足を止め振り返ったカイトくんに麻友ちゃんは手でおびき寄せる。
それに吸い付くようにカイトくんが傍まで来た。
「ねぇカイト暇でしょ?萌に勉強教えてやってよ」
「え、俺今からバイト」
「あー…なら仕方ないっしょ、萌。一人で頑張れ」
「えー…無理だよ。分かんないよ。今日中にプリント出さなきゃ明日居残りなんだもん」
明日にまで持ち越したくない。
明日は佐々木くんと会うんだから!!