LOVE DAYS
「萌ちん、人のプリント勝手に盗んだらダメっしょ?」
「…ごめんなさい。カイトくんが晴馬君の机探したらって言うから。だってね、みんな予定あるから帰ったの」
「ふーん…俺には声掛けてもらってねーけど」
「だ、だって晴馬君も忙しそうだったし」
「別に。言われたらすっ飛んで来てたよ。萌の為なら」
「…あ、でも邪魔したら悪いかなって」
「別に。ただの暇つぶしだったし」
声のトーンを下げた晴馬君はあたしの目の前の椅子に腰を下ろす。
「そ、なんだ…」
「で、ところでお前はこんなプリントをさせられるくらいの点数とったって、何点なわけ?」
「え、いや…聞かないで」
「こんなのさせられるくらいじゃ総合200もないんじゃねーの?」
「あ、あったよ!!200はあったもん。…あとプラス一点で…」
「はぁ?お前どんだけ馬鹿なの?ざっと計算すると一教科40点もねーじゃねーかよ」
「あるよ!国語なんて60点だもん」
「って事は何かが30点もねーな」
「ほ、ほら!!だから晴馬君には言いたくなかったんだよ!!絶対馬鹿にするって思ってたし!!むしろ晴馬君がそんな頭いいのなんか知らなかったし!!そっちこそ詐欺だよ!!」
「は?何言ってんの、お前…」
思わずカッとなって叫んでしまった。
そんなあたしに晴馬君は呆れた感じであたしを見つめる。
フンッてソッポ向くと、
「写すだけじゃ分かんねーだろうが。俺が教えるからやれよ」
何故か、いつもと違う晴馬君が居て、その言葉を疑ってしまった。