LOVE DAYS

どれくらい時間が経ったのかも分かんなかった。

もはやあたしの手が物凄く疲れてた。

よりによって5教科全部渡さなくてもいいじゃんか!!

明後日の朝までに渡せばいいなんて言われたけど、今日中に終わらせないと明日の佐々木君との約束が果たせない。


だけど、これじゃホントに覚えたのかも分かんない。

ただ写すだけじゃ、全然頭に入ってこないや。

暗記っつったって、そこまで頭いい訳じゃないし。


もう自分で自分を恨みたくなる。


「あれー、萌ちん。なにしてんの?」


不意に聞こえた聞き覚えのある声に、心臓が飛び出しそうになるくらいぶっ飛んだ。

声の主を見ると扉から顔を出してたのは、やっぱり晴馬君で、


「あ、いや。ちょっと、」


なんて思わず焦ってプリントを机の中に突っ込んだ。

ヤバい。今、本人を目の前にして、その本人のプリントが机の中に入っている。


「もう6時だけど。もしかして俺待ってたとか?」

「待ってません!!」


ニヤリと口角をあげて晴馬君がこっちに向かって来る。

むしろもう6時だと言う事すら気づかなかった。

そりゃ手も痛いはずだよ。


「じゃ、何してんだよ?」

「ギャッ、」


思わず声を上げてしまった。

あたしの後ろから抱きついて来た晴馬君は、あたしの腕を押さえたまま反対側の手で素早く机の中に手を突っ込む。


「だ、だめっ、」


なんて言ったのはもう遅かった。

晴馬君の手にはあたしのプリントと晴馬君のプリントがある。




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